毎度!名調フードアドバイザーの小田です。
今日はラーメン屋の稼ぎ方についてアドバイスしていくとする。
寿司とラーメンは日本人が好きな食べ物トップクラスの激選区だよなあ。
毎週行ってもまだ行ってみたい店が山のようにある。つまりそれだけ店が数限りなくあるってことなんだよなぁ。
でも昨今のラーメン屋事情は、お前らが思ってるほど楽観視もできないみたいだ。今回はそんな話から、どうやったらがっぽり儲かるラーメン屋をやっていけるかをレクチャーしていくぞ。
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ラーメン屋は減少している
経営者の90%近くが高齢者
実はこの数十年でラーメン屋の数は30,000店舗から~25,000店舗へと急激に減少している。それはラーメンブームの落ち着きやヘルシー志向への転換などさまざまな理由があるが、俺はもっと他に理由があると思っている。つまり。
儲からんのだ。
ラーメン屋に限らず飲食店の経営自体が減少しているのだが、この原因は飲食店経営者の高齢化にもある。
厚生労働省のデータによると、30代の経営者は4%、40代の経営者は8.6%、に対して50代は23.7%、60代は39.5%、70歳以上も22.4%もいるからつまり飲食店の90%近くはジジババの経営ってことになる。
多少の修行が必要な世界だとしても、これはあまりにも開業が少ない。
つまり経営することに魅力を感じない若者が増えていると言える。
女子を見捨てたツケが呪いとなって返ってきた
これが何を指すかと言うと、日本人がラーメンを食べなくなったということではなく、ラーメン単体で勝負できなくなってきたということを指している。つまり儲からんから新規参入が少ない。
365日ラーメンを食べるラーメンオタクならともかく、ファミリーや女性同士ではなかなかラーメン屋は入りにくい。しかもラーメンってやつはなかなかに敷居が高く、仲良く談笑しながら食べる種類のものでもないという変なイメージがある。「今日はラーメン食べながら女子会しようよキャハッ♡」などという世界が存在しないように、真っ向から女子を否定せざるを得ないイメージがついてしまったのがラーメン屋の厄介なところだ。
女子を排除するとのちのち苦しむことになるのはラーメンやに限らず競艇・競馬などの世界も同じだ。
彼らはCMやさまざまなキャンペーンを使って女子の取り込みに必死だが、もともとは酒とタバコの蔓延る男の世界でずっとやってきた。
今更になって顧客減少は困るとばかりに女性を取り込もうと必死だが、イメージ転換はそう容易い仕事ではない。
女性を敵に回すとこうなるというよい見本である。
なんせ女性は人類の半分をつかさどると共に子孫繁栄の要である。
女を敵に回して成功したなどと聞いた試しがない。
世界の黒幕は女性であると言い切ってもいい。
女を敵に回した奴は遅かれ早かれ死ぬ。
そんな状況がラーメン界の苦境を生み出しているのである。
苦境のラーメン屋。どう女子を取りこむか。
居酒屋をヒントに昼と夜の顔を使い分ける
ラーメン屋の利益率は大体粗利で35%前後。立地や店舗の大きさにもよるけれど、1日100〜200杯は売ることが目標になってくる。ところが勝負時間帯は限られていて昼の1〜2時間が限度だ。昼過ぎからは閑古鳥。これがまぁ世の中に存在する可も不可もないラーメン屋の特徴である。
ラーメン屋のヒマな時間をどう使うか。このヒントを持っているのが実は居酒屋の連中だ。
居酒屋は、売上を確保するために昼の営業(ランチ)を始めることがある。彼らの悩みの種は、ランチでは利益がなかなか取れないことだ。
それはもともと居酒屋が持ってるメニューの品数が多く原価率も高いから。そのかわり滞在時間もながく客単価も高い。
彼らの常識の元に昼の営業をやったらそりゃ利益は取りにくい。
単品でほどほどの利益も残してくれるラーメンは、彼らが喉から手が出るほど欲しがるコンテンツだろう。
つまりラーメン屋はこの強みをうまく活用するのである。昼は黙っていても強いラーメン屋が夜に美味しいおつまみメニューを出せば、昼の回転率を活かしながら夜には客単価の高い営業をすることができる。
ポイントはラーメンのトッピングにある煮卵や焼豚、餃子やナムルなどを活かしたメニューにすること。
無駄に品数や手間を増やしてしまっちゃ本末転倒。あるもので効率よく夜のメニューを展開していく。
これがラーメン屋起死回生のシナリオだ。
「飲み会」ができるラーメン店なら、子供を連れてきても子供は単品でお腹いっぱい食べられて大満足、親はビールを飲みながら日頃のストレスを解消できて大満足のいい酒場となるだろう。
これが焼肉だと単価が高くなりがちだが、ラーメンなら低単価でお腹を満たせる。
大人は単品を頼みながらアルコールできちんと利益を落としていってくれる。
お客にとってもお店にとっても都合のいいビジネスモデルの誕生である。
昼は1人客、夜は団体客を見込んでフレキシブルな客席を
昼は回転数が命のラーメン屋。これを夜の居酒屋営業に展開していくためには、カウンターだけでなく3〜4人から10人以上のグループ客にも対応していける席づくりが大切だ。間仕切りや衝立を利用するなどして昼と夜の顔を使い分けられるかどうかがポイントになってくる。
昼の営業はとにかく回転数が命となるため、カウンターのような個人席でなるべく早く席を立ってもらうことを意識した店づくりが必要だろう。アフターコロナでは住宅街にリモートワークの人口も増えるから、郊外でもランチ需要は増えると見込まれている。これを取り込まない手はない。
夜の営業では女性を意識しつつ、職場や仲間うちの飲み会にも使いやすいテーブル配置であることが重要。単にテーブル席だけだと昼の営業で一人客が増えたときに無駄になる席が多くなるので、テーブルはフレキシブルに動かしやすい配置であることが重要だ。もしくは衝立などを利用して相席しやすい環境を作り出すのも手である。
とにかく昼は回転数、夜は(滞在時間が長くなってもいいから)高利益の席配置を意識して店づくりをすること。この環境が客層をガラリと変えるキモだ。
回転数を意識してメニューも昼夜限定に
昼夜問わずにガッポリ稼ぐ店づくりには、席配置だけではなくもちろんメニューにも気を配らなくてはならない。
滞在時間の伸びそうなアルコール類は夜だけの限定メニューに。昼はとにかく回転数を落とさないために、メニューを絞りながら店のオリジナリティを前面に押し出すこと。
上記でも述べたが、無駄に仕入れを増やすのではなく、トッピングやサブメニューにあるようなナムルや煮卵、餃子やチャーシューなどラーメンの副産物をうまくアレンジすることが大切だ。
冷凍できる手羽先や唐揚げなどもいいだろう。
夜の居酒屋営業が軌道にのれば、昼のラーメンも大衆に迎合しないオリジナリティを前面に押し出すことができるだろう。
ラーメン屋は回転数を気にするあまり大衆に迎合する味に落ちてしまうことがある。
しかしラーメン屋のカナメは、100人いたらギリギリ5人のファンが作れるかどうかのオリジナリティにかかっている。
つまり逆に言うと5人が強烈なファンになってくれさえすれば95人は何とも思わなくてもいいのだ。
そういったパンチのある味を守るにはそれなりの経営力が必要だ。
自らの武器をうまく活用して、味を守り続けていって欲しい。
ラーメンを主張する前に中華料理屋に学べ
ここまで話してくると、「それはラーメン店というよりは中華料理屋だろう」と思うヤツが少なからずいるとおもう。うん。そうだ。
経営の方式としては中華料理屋に近い。特に美味しくもない、町のダッサイ中華屋がなぜか長続きする理由はこの経営方式にある。彼らは昼も夜もなんとなく稼ぎ続けているのだ。
いかに美味しくとも、経営が立ち行かなければそれは何か策を練らなくてはならない。でも腕のあるラーメン屋ほど、ラーメン一本でいこうとする。俺はそこに矛盾があると思う。
味を守るためには経営努力が必要だ。そのために大衆に迎合するのではなく、知恵と工夫で乗り切れと言いたいのである。
ラーメン屋はやりたいけど中華料理屋にはなりたくないなんてアホは一生儲からないラーメン屋を意地とプライドでやり続けていけばいいと思う。
でもそれはこれからの世の中にはなかなか受け入れられないだろう。
せっかく腕があるんなら、世の中の需要に合わせてしっかりと稼げ。
味をアピールするのはそれからでいい。
世の中の美味いラーメン屋がなくならないためにも。俺はそう叫びたいのだ。