損益分岐点知らない奴多すぎ問題
まいど。名調フードアドバイザーの小田です。
いや~、毎日暑い。
世の中のイケてない飲食経営者達にちょっとしたブリザードを吹かせたければ、
「ところでさぁ~、お宅の損益分岐点っていくらなの~?」
って聞くといい。
この一言だけでマンモスのように経営者を永久凍土に眠らせることができる。
なぜなら儲かってない店舗は、100%損益分岐点を把握していないから。
ドンブリという名の永久凍土に浸かるマンモスたちよw
いくら経営を知らない店主と言っても、
さすがに損益分岐点ぐらいは出さないとマズイ。
それじゃ慈善事業かボランティアと同じ、利益ゼロ事業。
価格破壊は市場を壊す。真面目にやってる経営者の迷惑。
でも、
世の中のほとんどの人が自分のベスト体重を知らないのと同じくらい、
飲食経営者は損益分岐点も知らん、っていうのが実情よね~。
まあ、嘆かわしい限りですわ。
でもね、それってことは、見方を変えればこういうことでもある。
損益分岐点さえわかれば、勝ち組になれる。
そう、損益分岐点は経営においての最高の指標。
いわばサラリーマンにとってのエクセル。
大工にとってのカンナ。
料理人にとっての包丁。
むしろ包丁もなしに料理人って、アンタいままでどうやってたの?!って
逆に聞きたいくらいの命ともいえる道具。それが損益分岐点。
今日まで知らなかったあなたも、損益分岐点さえ割り出せば勝てる。
それにはこんな明確な理由がある。
損益分岐点は、経営の目標になる。
人間、目標がないうちは1歩たりとも歩き出さない。
ただし、目標ができたとたんにまっしぐらに歩き出す。それが人間だ。
「いつかやればいい」を「やらなければならない」に変える指標。
それが損益分岐点だ。
損益分岐点は、文字通り「損」と「益」の分かれ目だ。
地獄と天国の分かれ目といってもいい。
わずか1%がプラスに転じるかマイナスに転じるか。
それだけでも100万プラスなのか100万マイナスなのかの大きな違いがあるかもしれない。
それは経営者の人生と将来を文字通り左右する重要な分かれ目だ。
それをなによりまず出すこと、
俺はその一歩は必ず成功に一歩近づく大きな一歩だと思っている。
いわば成功の50%はこの数字を出すことにかかっていると言ってもいい。
だから今日は損益分岐点を割り出して、めでたく勝ち組の狼煙を上げて欲しい。
お客様は食のプロだ。侮るな。
もうひとつ、損益分岐点を出さないと確実に死が訪れるひとつの理由がこれ。
お客がプロってるってこと。
家を建てるのは一生に一回。
結婚式もだいたい一回。(深くは言わんが)
洋服は3月に一回くらいかな。
それに比べてどうだ。
1日に3回も食べてやがるぜ!敵は!
どうなってんだよ。そこらじゅう食のプロばっかりなんだよ。
歩けど歩けど「オイラ初めて食べるんっす」みたいな初心者がいない業界。
こんな猛者ばっかり相手に商売しようってんだから、
原価も味も見事に比較されつくしてあたり一帯焼け野原。
ちょっと儲けに走ろうものなら
「高い。」
「値段のわりにマズイ。」
「可もなく不可もなし。普通。」
とか言われまくってすぐ食べログ★2つとかに落とされる。
あいつら一体何様だ?!
感謝を忘れたモンスターか?
普通で何が悪い!
2度と来るな!!
アイコンと実物が全然違うブス!!(←言いすぎ)
と怒りの鉄槌を下したくなるものである。
でもこの状況こそが、飲食業界を取り巻く最も厳しい理由のひとつだ。
お客の舌が肥えていること。
エンターテイメントとしての側面においても、競合がひしめいていること。
だからこそ損益分岐点はリアルに追うべきひとつの指標。
ここが1%狂うだけで大きな違いが出てくる。
損益分岐点は目標であるとともに、命のバロメーターでもある。
生き馬の目を抜く飲食業界で、損益分岐点もナシに歩こうって言うのは、
アマゾンや砂漠を裸一貫で歩こうとしてるのと同じ。
さあ、永久凍土に埋められたくなければ、
今すぐ震えあがって損益分岐点を出すがいい。
ポンコツ経営者め。