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意外に知らない内外装工事会社の選び方
まいど!名調フードアドバイザーの小田です。
飲食店の出店を考えている人たちにとって、一番「困る!」と言われるのがこの内外装の施工業者の選び方。なんでって、まったく情報がないからなんですよね…。一体全体どこに頼めばいいかわからない。「小田さん、いいところご存じないですか?」なんてご相談を頂くのもよくある話です。
それも無理もない話で、だって飲食店を開業したい人にとって、この分野は専門外だから。「こういうお店にしたい」ってイメージ位はあったとしても、実現してくれる伝手もなく知り合いもいないのが普通なんです。
だから我々のようなフードアドバイザー達はご紹介したりすることも多いですよね。もちろんそういった伝手を使うのはいいことだと思いますが、まずはどのように選んだらいいか、選定基準は知っておいて損はないと思いますので今日はそんなことを書いていきますね~。
物件が決まる前から内外装施工会社は選び始めよう
まず、失敗しがちな落とし穴第一位がスケジュール管理ね。
だいたいの人が「物件が決まりました、さて内外装どうしよう」という発想になるわけですが、これ、けっこうもったいないです。
なんでかっていうと、物件が決まって家賃が発生しだしたのに、内外装の工事が進んでなくてオープンできない!工事ならまだしも打ち合わせも方向性もまだ決まらなくて商談段階なのに家賃が発生しちゃう!いや~~んもったいな~~~い!!っていうこと、まれにですがあるんです。
そういうロスを生み出さないためにも、物件が決まる前から内外装の設計施工会社は選んでおきましょう。めちゃくちゃ親切な会社なら、一緒に物件を見に行ってくれることもあります。(当たり前ではないからご注意。)それでできることとできないことを洗い出して物件選びに生かせれば、それこそ無駄がなく納得した物件を借りることができますもんね。
だからだいたい、「お店を出そう!」と決めて事業計画を練ったらもう即座に設計施工会社は選び始めましょう。だいたい、オープン半年前くらいには選び初めてもいいかなと思います。
設計/施工は一括発注にすべき?別々にすべき?
よく聞かれるのが「設計会社と施工会社は別々に頼むべき?」ってことです。僕の持論ではありますが、そこよりも見積もりと相性で選ぶべきだと思いますよ。
別々に頼むと割高になるとか、一括発注すると割安になるとかいう話も聞いたことはありますが、それはあくまで一般論。結局はその会社のスタンスもあります。得意分野もあります。設計を設計会社に頼んだからといって、あなたの頭の中の理想の店舗デザインを間違いなく再現できるというわけでもありませんし、設計施工会社に頼んでみたところで確実に安上がりと言うわけでもありません。あれもこれもオプションでつけくわえて、結局高くつくパターンだって十分あってしまうわけですよね。
だから、ひとつひとつの会社をよーく見極めて、いろんなことを考えて信頼できる会社に頼むことが一番!
だから、時間があれば3社くらいに声をかけて比較してみたらいいかなと思います。
選定基準はココ!失敗しない選び方
1.飲食店の実績がある
飲食店の実績、特にラーメン屋ならラーメン屋、カフェならカフェで同じ業態の専門業者を選ぶことが大事です。同じ飲食店でも、厨房設備の配置や必要な広さは全然違うわけですからね。特に機能性は大事。清掃しやすい、保守しやすい、バックヤードやスタッフの出入り、ホールスタッフの導線、お客様が迷わないトイレの位置なども大切な機能性の一つです。
のちのち狭かったとか使いにくかったってことではやっぱり後悔が残ってしまう。そんなことにならないためにも、実績・経験豊富な業者を選ぶのは大切ですよね。
それと、できれば実績店舗を見せてくれるところがいいですよね。
なぜかというと、実績店舗を紹介してくれるということは、そこの経営者ともうまくお付き合いが続いているということです。信頼に足る仕事をしてくれたというお墨付きがあるわけですから、そういう意味では信頼度が何十倍にもアップしますよね。
2.なんでもかんでも一括で任せられる業者
飲食店の開業には設計や内外装工事だけでなく、空調や厨房といった設備業者も絡んできますから、そういった業者とのやりとりもトータルで行ってくれる会社が便利です。オープン前後のバタバタしたときも、受付窓口が一か所だと工事ミスも防げます。
3.地元の業者(工事は特に)
工期スケジュールや情報のやりとりが早い地元の業者を選ぶのはマスト、またこのコロナの関係もあって、県外はまず絶対にオススメしません。
地元での仕事は会社の評判に関わりますから、工事会社は手を抜けません。
また、空調や厨房、設計や我々のようなフードアドバイザーなど、開業支援の業界でのネットワークがありますから、そういうネットワークを大切にする業者というのは総じて施主との絆も大切にします。
高額な内外装工事を請け負ってもらうわけですから、地元の評判をしっかりと聞いて、信頼されている会社にお願いするのがベターです。
4.できれば会社を訪問してチェックを
自分の城を築いてくれる大切な業者選びですから、しっかりと会社を訪問して社長や責任者と顔を合わせるのは大切です。
その会社の特徴、仕事への考え方、下請けとの付き合い方などを聞くと、その会社が業界の中で長く信頼を築いてこれた会社なのかどうかはすぐにわかります。業界のヨコのつながりがない会社というのは要注意です。なぜなら金払いが悪かったりして、業界から村八分にされていたりする会社もあるからです…。
ね、怖いですよね。でもある話。
その会社の長所もあれば、短所も必ずあります。そういったところを洗いざらい出してみて、納得して選択することが大事。
なんとなく決めて、無知の部分、よくわからない部分が多ければ多いほど、のちのちの信頼関係の崩壊につながります。信頼関係が崩れて損をするのは施主です。だからこそ、最初が肝心なのです。
納得こそ一番の値引き
よく、こんな話があります。
「開店したら、お客さんで内装工事関連の人が来た。『いくらでやったんですか?』と聞かれて正直に答えたら『ずいぶん高くやったんだねえ。うちならもっと安くしてあげたのに。』と言われて不快な気持ちになった。」
ってね。まあ、飲食店っていろんなお客さんがくるからこんなことは日常茶飯事ですよ。
出来上がったモンを見て、『うちならもっと安くできた』っていうのは、誰でも言えるセリフなんですよね。
コンセプト決め、売れる設計、機能性の高い設計施工、清掃保守がしやすい設計施工っていうのは、形には現れていなくても“ゼロ”から全部打ち合わせを繰り返してああでもないこうでもないって試行錯誤してやっと生み出された“イチ”なんです。そのゼロイチをやれる会社とやれない会社というのは天と地ほどの差がある。そして、やれる会社こそが繁盛につながる。それは、施工会社も飲食店もね。
真似とか、安売りは誰にだってできる。だから自分が納得してやったこと、それに対して対価を払ったことには、誇りを持って「正しかった」と思い続ける勇気を持ってほしいんですね。
そのために、対価を支払う前には徹底的に調べて、徹底的に話し合って納得してほしいのが僕たちの願い。
そのための情報提供ならいくらでもします、っていうのが僕たちフードアドバイザーの仕事です。
失敗してほしくないからね、誰にもね。