一人当たり利益(限界利益)はこう出す。
前回書いたこんな感じの表、これを使っていよいよ今日は一人当たり利益(世の中では「限界利益」と呼ばれているもの)を出していくからな!
これがでちゃえばマジヤバい!絶対儲かる!
覚悟してかかるがよい!!
(↓まずこれを見ながら数字を埋めろ話はそれからだ)
売上高 | 10,000,000円 | 100% | |
材料費 | 3,300,000円 | 33% | |
人件費 | 2,700,000円 | 27% | |
諸経費 | 水道光熱費/ 広告宣伝費/ 修繕費/ 通信費/ 求人費/ その他雑費 | 1,500,000円 | 15% |
初期条件 | 家賃/ リース/ 保険料/ 償却費/ 金利/ | 2,000,000円 | 20% |
利益 | 500,000円 | 5% |
※スマホ表示で分かりやすくするため/を入れております。
この表の中で、赤字で書かれている部分、これは変動費と言って、
お客様が来れば来るほどかかる数字。
例えば材料費はお客が来れば来るほどかかんだろ?それが変動費だ。
青字で書かれている部分は固定費といって、
お客様がひとっこ一人来なくてもかかる数字と考えて欲しい。
(一人もお客が来なくて家賃かかるとか最悪の事態だけど、
それが起こったのがコロナだ!だからな、ありえることなんだよな。)
ちなみに借金の返済金が気になるヤツがいると思うが、
ここではそれは考えなくていい。つまり表にも入れなくていい。※純粋にかかる家賃やリースや保険料や償却費や金利を当てていけばいい。
一人当たり利益(限界利益)というのは、
売上から変動費を引いたもの。
売上高—変動費=一人当たり利益(限界利益)
で計算される。とりあえずどうしてそうなるかは置いといて、
表の中でそれぞれのパーセンテージの部分を見て欲しい。
変動費は 33%+27%+15%で75%である。
仮に客単価(お客様一人当たりの売上)を1,000円とすると、変動費は750円ということになる。
1,000円-750円=250円
この250円が一人当たり利益(限界利益)だ。
なんで固定費は引かないかはモヤモヤすると思うがこれで大丈夫。
まずこれをよく覚えておいて欲しい。
固定費を一人当たり利益で割る
当然ながらこの一人当たり利益には固定費を含んでしまっている(ここから固定費を支払わなくてはならない)ので、まだ本当の意味の利益とは言えない。
さて、では、この一人当たり利益がいくら溜まったら、固定費がペイできるのだろうか?
固定費は月額2,000,000円とある。(表の初期条件の部分)
この2,000,000円を、250円で割ると答えは出てくる。
2,000,000円÷250円=8,000人
そう、つまりひと月に8000人来ないと固定費はペイできない計算になる。
日割りにすると(営業日が21日あるとして)381人来ないとペイできない。
そこまできて初めてゼロというスタートラインに立てるってことだ。
(ここを出しやすくするためにあえてさきほどの計算では固定費を入れなかったのだ。)
いかに飲食店経営が難しいかと言うことがお分かりいただけるだろうか。
逆に言うと、飲食をナメてボランティア感覚でやるアホがどれだけ業界に迷惑をかけているかお分かりいただけると思う。利益のことも考えれば日に500人近くの胃袋を捌かなくてはならない経営者としては、ひとつの胃袋もアホにつぶされたくないと心底思っているのだ。
もうひとつ、ここまで薄利だとわかっているのに単純値引きに走るやつもアホだ。
単純値引きしている場合ではない。たかだか数%の値引きも命取りだ。
しかも値引きしたところで、固定費も変動費もかかるものはかかる。
単純値引きは単純に利益をガッツリ減らしていることに他ならない。
そんなアホは即死すると私は言いたいのだ。
ちなみに、薄利だといえど飲食店が特別厳しい業界だとも思わない。
飲食業界は在庫ロスのほぼない業界である。なぜならば腐るから。
これがアパレルになると、在庫が腐らないから1年でも2年でも持ってしまう。俗にいう不良在庫というやつだ。
この不良在庫に保管料がかかり、人件費がかかり、なおかつ売れない、
でも支払うときはは1万枚とかいう莫大な支払いをまとめて支払わなくてはいけない、そんな話がザラにある。
いくら粗利が3割4割あったとして、この不良在庫がその粗利をグングン食いつぶすのがアパレル業界だ。
飲食業界が生き残れるのは、薄利だとしても単月で収支が合いやすいというのがめちゃくちゃ大きい。危機感もひしひしと感じとれる業界なのだ。
ペイできた瞬間が損益分岐点
ちなみに、さきほどすでに損益分岐点の話はしてしまったんだけど
つまり8,000人来てスタート地点に立った時点、
それが損益分岐点ね。
飲食店ならだいたい月末ギリギリ。
だって数%が利益の境目なんだから。
この損益分岐点をいかに早く迎えて、
いかに早く利益を積み上げ始めるか。これが飲食業界のキモなんだよね。
ちなみに、その利益のなかから借金を返済することをお忘れなく。
元本を計画的に減らして、銀行の信頼をつかんで、
なおかつ健全な経営をしてこそ経営者。
な!難しいだろ!?
でも、それができちゃうから飲食は面白いんだってことよ。
ここから先、飲食が儲かる話をしたいもんだね。